教えから『出会い』へ

ウレシパモシリ顧問の首藤久義先生(千葉大学名誉教授)から、10年程前に、顧問にご就任いただきました際に、ウレシパモシリの活動を進めていくための一番大切な言葉に出会あわせていただきました。

「ケロちゃん、教え込むのではなく、出会わせてあげればいいんだよ。」

「出会う」⇒「遊ぶ」⇒「馴染み親しむ」⇒「好きになる」⇒「もっと知りたくなる」

自然あそびを保育につなぐためにも、
多様な自然に出会えば、子どもたちはワクワクして遊び始める。

面白がって遊び込む程に自然に馴染み親しみ好きになる。

好きになり愛着を持てば、もっと遊びたい、やってみたい!

自分で感じて心動けば、「なんで?どうして」不思議に思う事、

自ら問うて考えてもっと知りたくなる。

探求心や学びに向かう姿が生まれてくる。

このウレシパモシリの歩みの10年間、ずっとこの「出会い」を日々の保育の現場で、先生方と一緒になって、子どもの姿から試行錯誤し求めてきたと改めて感じています。

レイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」の「知ることよりも感じること」のメッセージもウレシパの宝物としてずっと温めてきたように思います。

そんな「出会い」の大切さをお伝えくださり、ご一緒に作務衣を着て、数々の保育現場に入って子どもたちと一緒に遊んでくださった首藤先生が、この度、本を出版されました。

「国語を楽しく」(東洋館出版)

このご著書の第6章「幼児期の言葉と文字」では、実際の園の現場でご指導いただきました自然遊びから生まれる言葉遊びの事例も数多く記載されております。

私も首藤先生のご指導をまじかに拝見しながら、大変深く学ばせていただきました。

「ケロちゃん、自然あそびの中に、たくさんの言葉が溢れているよ!」と言って下さり、子どもたちの遊びを通して感じて動く心の声を言葉の領域につないでくださいました。

多くの保育幼児教育に関わられる先生方に、是非手にとってご覧いただきたいと心から願っております。

ウレシパモシリはこれからも、葉っぱや小枝や水や土砂石等の一つひとつの自然物や、光や風、雨等の日々変化する自然の事象等、身近な自然を保育教育資源として日々の保育や生活の中に取り入れて、子どもたちが出会う場を先生方と一緒に面白がって進めていきたいと思います。

今年度も、多くの保育園・幼稚園・認定こども園の先生方、児童館・学童の先生方にも出会いをいただきました。

温かいご支援に心から感謝申し上げます。

新年度も、日々の保育と身近な自然をつなぐ研究活動を進めて参りたいと思います。

どうぞ宜しくご支援ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。

ウレシパモシリ 高橋京子